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<<   作成日時 : 2011/03/05 22:04   >>

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トッドやローラ・ニーロもいいんだけど、普段の生活でも英米音楽を聴く時期とブラジルを聴く時期が交互にやってくる。

最近はブラジルのほうを聴いてる時間が長いんだけど、ちょうどここでも、ブラジルに一服してからアメリカ音楽をしばらく紹介して、またちょっと疲れて
ブラジルに戻ってる姿をさらしちゃってますが、大好きなトッドのあとでも、やっぱり無性にブラジルが聴きたくなりますね。

こうやってブラジルに帰ってきたときの安心感って何なんだろう・・・・・ そのあたり、ちょっとMPB4でも聴きながら考えてみたい。

コーラスグループ、MPB4(エムペーベー・クワトロ)は、サンバのエントリーで紹介したホベルタ・サーのバックで歌ってた4人組です。

まずは72年のアルバムから、ジョルジ・ベンの曲

 (ここで鳴ってるのがフラット・ワウンド弦のエレキベースだよん・・・)



ちょっと前衛的だよね。同時にダンサブル・・・・汗
人間の声ってのは純正律でハモるから、こういうのって脳髄直撃になって危険だと思う。
ジョルジ・ベン独特の若干呪術的なコーラス・リピート、だんだん盛り上がってくる大きなリズム感覚・・・

そして綿密に仕組まれた4人組のハーモニー、アフロ感満載のクイーカ (太鼓に張った豚の皮に木の棒がついてて、それに濡れた布をこすりつけて「ヒコヒコ」いわせる楽器ね)
最初のうち4人組がユニゾンで歌ってるからフツーのサンバかな、と思うんだけど、いきなり和音でハモるあたりから盛り上がってくるニクい編曲・・・

ジョルジ・ベンって3分くらいで終わる曲でもどんどん盛り上がってきて、単調な繰り返しのコーラスがあと10分くらい続いて欲しいな、と思わせる事が多い人です。


・・・・ う〜ん・・こういう世界ってアメリカには絶対無いんだよな・・・・・・


次は1975年の音。これTVの連続ドラマ用でドリ・カイミの曲。 
こういうのミナス音楽って言うんです。 透明感、大自然のスケール感、夕焼け感あるいは夜明け感・・・・ 感傷的な様でいて、ベタベタしてない感覚・・・




ドリ・カイミはジョビンと並ぶブラジルの作曲家、ドリバル・カイミ(1914〜2008)の息子です。 親子で名前が似てるので間違えないようにして下さい。

ドリの曲ってこんな感じで、人のハートの奥深くにある、懐かしいような、切ないような感情をゆり起こす旋律が特徴的。
そういう感覚のことを「サウダーヂ」と呼びます。 ブラジル音楽の基調をなす「サウダーヂ」 は翻訳不能とも言われてるけど、こういう音楽聴いてもらえば
誰でもわかると思う。

サウダーヂ感ってほとんどブラジルだけのものだと思う。どうも英米の音楽では希薄・・・・ そのあたり最近そっち方面の音楽がキツくなってきた理由かも・・
(むしろ日本の童謡とかにたまにサウダーヂを感じることはあるけど)


これは77年。ヴィニシウスとピシンギーニャの曲。
ピシンギーニャ(1897〜1973)はショーロの大御所。 (ショーロとはブラジルのジャズとも言われる器楽音楽。)

ちょっとしてギターが、次にドラムが入ってくる瞬間、最高にクるんで閲覧注意。



後半、白黒ムービーで出てくるオッサンがピシンギーニャですな。この人サックス吹くんだけど、この楽しそうな感じってのもアメリカのジャズには無い。

以上、民衆音楽でありながら、さりげなく前衛的、アフロっぽいんだけどヨーロピアン、サウダーヂ感覚があって、基本的に楽しめる音楽・・・
こういうのがアメリカ音楽には無いブラジル音楽の特徴だと思う。

ブラジルの歴史を見ていくと、本国ポルトガル文化の最良の部分がほとんどブラジルに移転してしまって、ポルトガルはヨーロッパの片田舎に
落ちぶれる反面、ブラジルではヨーロッパ文化がアフロ文化と融合して花開いた、ってことは言えると思う。

地理的にもブラジルはヨーロッパに近い。ブラジル文化はヨーロッパ文化の一部、とは言いすぎだろうか・・・

アメリカ音楽に決定的に欠如してるもののひとつは、ヨーロッパ直結の華やかな文化だと思う。
ヨーロッパへの憧憬やコンプレックスはあっても、アメリカ音楽の基盤って、けっこう素朴で地味なんだよな。

そこからスタートして欧州・英国に対抗した独自の華やかな文化が、主に東海岸で結実するのはやっと20世紀になってからではないか?

僕ら日本人から見るとアメリカ人って野蛮に見えることが多々ありますよね?
同様にブラジル人もアメリカのことをそう見ていたフシがあります。なにせ自分たちは「ヨーロッパ文化直結」ですから・・・
ショーロではアメリカのジャズのはるか以前に即興演奏が確立してるんです。

カトリック VS プロテスタントっていう見方で北米・南米の違いを考察中ですが、それ以外に上記のようにも考えている今日この頃です。

トッドの自称ボサ・ノヴァが全然アメリカ音楽に聞こえる理由を一緒に考えませんか?

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ブラジルのジャズ (4)  Moacir Santos
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2011/08/21 23:17
Banda Black Rio
んぢゃあブラジルのソウル、ファンク行きますよ。 ...続きを見る
トリニティースクール音楽部 部室
2012/08/02 01:03

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