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<<   作成日時 : 2011/03/10 16:17   >>

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ちょっと息子んとこから地球儀借りて見てた。

普通、世界地図って太平洋が真ん中で、日本とアメリカが向き合うのが当たり前で、
アメリカが右端、ヨーロッパが左端にくるんで、ヨーロッパやアフリカから南米や北米までの距離関係は全然わからない。
だからちょっと久々に地球儀見たくなったの。


画像



南米大陸は1494年、悪名高いトリデシリャス条約によって西経46度の線によってスペインとポルトガルに
分け与えられる。 (ローマ教皇が勝手に決めた)

だから今も南米大陸はスペイン語圏の国々が西側に張り付いてるわけ。
いっぽうブラジルの北東部はアフリカ大陸に向かって突き出しており、
両者の最短距離は北海道の宗谷岬から台湾のタイペイの距離とほぼ同じ。
NYからアフリカ大陸への距離はこれの倍近い。

つまりブラジルはアフリカまでの距離がアメリカからより倍近い、と言える。
したがってブラック・ミュージックの本拠地をアメリカである、と断じることは出来ない。

同時にブラジルのほうがそれの本拠地である、とも言えない。
北米では黒人と白人の混血は少ないが、混血の多いブラジルでは反対に
ピュアな黒人はそれほど多くはないからだ。

だからブラジルでは「黒人音楽」という分類は非常に希薄である、といえる。
しかしアフリカとの距離感が小さいんで思い切りアフロな感覚にあふれてる。

北米では黒人音楽も禁欲的になる。
差別が厳しいので楽しいばかりの音楽はなかなか出来ない。
そんな中から生まれたブルースと同様のものはブラジルには存在しない。

ここが両者の黒人音楽における決定的な違いだと思う。

ジャズはブルースから派生してきた部分が大きい。 同時にクラシック音楽の理論も勉強して身につけてる。
アメリカにおけるジャズという音楽の発生は黒人の主張・アピールであったように思う。
ブラックネス・・・・ ブラック・イズ・ビューティフル・・・・

ところがブラジルでは黒人による黒人の主張のための音楽ってほとんど無いんじゃないかな・・・・?
おおむね白人も加担してるし、自身も純粋な黒人でも無かったりする。

だからブラジルのジャズってのは北米ジャズとは空気が全然違うの。
ニューヨークのジャズともカリフォルニアのジャズとも違う。
強いて言えばユーロ・ジャズっぽい部分もあったりする。

というかジョビンやエギベルト・ジスモンチ、トニーニョ・オルタといった人たちはユーロ・ジャズの一部を作りだしたという事なんだけど。
再三言ってるけど、ブラジル文化ってのはアメリカよりよっぽどヨーロッパに近いんだよな。

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この部室、。結局今はオレの個人ブログみたいになっちゃったけど、実はいろんな音楽ブログを参照してる。
あちこち見たけど内容のあるものはすごい少ないんだよな。

ジャズで面白いとこがあって、ずいぶん詳しいし音楽的な解釈も凄く同意できるとこも多いんだけど、
なぜジャズしか聴かない・語らないんだろうな・・? てのが大きな疑問になるの。

それほど聴き込めるんだったら、ちゃんとブラジル音楽聴けばいいのになぁ・・・ って。

おすすめ盤の中にブラジルからはスタン・ゲッツとアストラッド・ジルベルト、なんて出てくるんだもん・・・

パット・メセニー評価してたり・・・ 
言っとくけどメセニーの音はトニーニョ・オルタの剽窃(パクリ)なんだよな。
しかも全然師匠を超えてないし・・・

ジャズしか聴かない人ってなんでみんなオッサン臭いんだろう・・?
たまにジャズ以外のジャンルを聴いてみたりすると、えらくダサい人を気に入っちゃったり・・・・
ほんとに音楽が好きならノー・ジャンルになって行くとオレは思うんだけど ・・・・

オレはけっこう幅広く聴いてるほうだと思うけど、最近自分でその理由がわかってきました。
結局世界旅行の気分というか、音楽というひとつのテーマが地域や時代によって何故これほど異なって表出するのか?
その背後には何があるのか? ってことなんです。 まあつまり、歴史とか人文地理みたいなもんです。

パイプのほうの部活動読んでる人はわかるだろうけど、やっぱりアレに似てるんだよな。 歴史とか相互の関係性、インフルエンス
考察のウエイトが大きいの。

ジャズしか聴かないってことは、ブラジルだったらボサ・ノヴァしか聴かないって言うくらい狭い了見だと思う。

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今日紹介するのは67年のガル・コスタとカエターノ・ヴェローゾのデュエット・アルバム、て言うか、二人それぞれのデビューアルバム、
Domingoから、最初の曲。
この頃ブラジルでは既にボサノヴァは衰退してていよいよMPBが始まる時代。




オレ、カエターノってジョビン以降のブラジルの音楽家の中では突出して重要だと思う。
この人のボーカルは個人的には苦手なんだけど、いい曲書くんだよな。 このアルバムも半分以上カエターノ作曲です。

ガルはこのとき22歳、後年に大輪の花を咲かせる大歌手の、本当につぼみの感じが妖しいの。

(このボサの世界はアストラッドよりはナラに近いですね。
トロピカリア運動の最初のアルバムはナラとガルがカエターノやジルたちと参加してるんです。)

でも、この曲は単なるボサ・ノヴァじゃない。
ある種の危険な雰囲気、ジョアン・ジルベルトよりさらに小声のつぶやくような歌い方、
けだるさ、昼下がりなのに異様な静寂間、フランス映画のような世界・・・

それまでのボサ・ノヴァを含む、通常の音楽が伝えうる世界よりさらに繊細な感性、
そしてなにか未来を予見するような心のざわめきも・・・

このCDの解説で 「最後のボサノヴァ、ボサノヴァの最期」 と表現されてるのは、なるほどな、と思う。
むろんこの後もずっとボサ・ノヴァという音楽スタイルは生き続けて現在に至る。

だけど最先端の音楽として才能ある若者が飛びつき、そこになんらかの世界観を載せる
音楽としては、確かにこれが最後であるかもしれない。
なにせ直後からガルもカエターノもMPB音楽の探求に乗り出すからだ。

ボサ・ノヴァはジョビンらが作り出した、それまでのブラジル音楽の良質な部分を気化させた各種のエーテルを集合合体した音楽とも言える。
カエターノとガルはそこからさらに先に行くのである。 ボサ・ノヴァを完全にマスターしたことをここに明らかにつつ、そこから半歩踏み出しながら・・・
_________________________

ジャズばっかり聴いてるオッサンも凡庸なボサ・ノヴァ聴いてないで、こういうのからブラジル音楽に入って欲しいものです。
マイルスの世界がわかるんなら、このアルバムに漂うある種の緊張感だってわかるはずだよな・・・・

このアルバムに対応する北米音楽があるとしたらジャズしか思い浮かびません。

(スタン・ゲッツなんて「ムード歌謡」じゃねぇか・・・)

アルバム最後の曲も聴いてみて





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