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zoom RSS Clara Nunes

<<   作成日時 : 2011/06/07 13:57   >>

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個人的に大衆サンバはいいな〜、と思うようになったのは、ブラジル音楽を聴き始めて10年くらいたってからだろうか?
歳のせいもあるかもしれない。 だから若い読者には今日のエントリーはピンと来ないかもしれないです。

クララ・ヌニスは42年、ミナス・ジェライス生まれ。

下積みが非常に長く、若い頃は女工をやりながら夜学に通っていた。
地元のラジオ局などで注目されるようになるがデビューは遅く、74年というから31歳の頃です。
アルシオーニのデビューも28歳だから、サンバ歌手というのは相当な実力が無いと認められない、つまり人気者がひしめきあう音楽業界なんでしょう。
伝統芸能の音楽はおそらくどこでも同じなのだと思います。

人前で歌ったことなど無いのに突然歌わされてデビューしてしまった、ボサ・ノヴァ歌手のアストルーヂ
(アストラッド・ジルベルト) などとは好対照、芸人音楽はデビューまでがツラいんです。

でもレコード・デビュー後の人気は相当なもので、ブラジルでは10万枚以上のレコード・セールスを記録した初めての女性歌手となった。
(ブラジルで最も人気のある音楽ジャンルは、サンバなんだよね・・・)

クララの人気ぶりはレコード会社の注目するところとなり、以後売れそうな女性サンバ歌手に、レコード会社は多大な投資を行うようになる。
アルシオーニなどもそうして出てきた歌手の一人です。 


不幸にして人気絶頂の40歳、病気で亡くなってしまうから、クララがレコードを出してからの活動期間は10年に満たない。
こうしたサンバは時代による音の変化はあまり無いから、クララの音楽では楽曲の発表年次はさほど気にしなくて良いでしょう。
だから今回は年式は調べてません。






サンバは真っ昼間の音楽であることが多いですね。 次は後半コーラス隊に乗せたクララのアジテーション(?)が素敵な曲・・・






サンバ以外にも北東部の音楽もやっているのは、やはり出身地が近いからだろうか。 この曲は北東部のフレーバーですね。 サンフォーナ(ブラジルのアコーディオン)独特の音空間に注目。





クララの存在感は圧倒的なライブ・パフォーマンスにあったようで、突き抜けるボーカルはライブ動画で見てもゆらぐ所が無い。
まさにサンバの女王と言える表現力です。

それにしてもズ太くて力強い声ですね・・・サンバ歌手は大勢のコーラス隊を率いるからこれくらいどっしりしてないと務まらないんでしょう。
ナヨナヨとしたボサ風味の歌手達とは対極上にあるよな。

最後はMPBの人気者、ジョアン・ボスコの曲。 それでもボーカルは力強く、MPBという感じはしない。





亡くなった83年はエリス・レジーナ急逝の1年後にあたる。 ブラジルは不世出の女性歌手を立て続けに失ったわけです。
ジミ・ヘンやジャニス・ジョプリンなど卓越したミュージシャンの死は、前後で音楽シーンの何かを変えてしまう。
つまり、そこに大きな穴があいてしまうから・・・

ブラジルでは軍事独裁政権が倒れる85年以後、音楽は不思議と活力を失ってしまう時期がくるんです。
この二名の死が少し関係あるのかもしれないですね・・・・

エリスもクララも生きていれば茶色の声を披露していたかもしれない。
まだ美声のまま逝ってしまった彼女たちの歌は、ある時代を象徴する音楽として永遠に語り継がれると思います。


さて、アルシオーニ、クララ・ヌニスと並び、サンバの人気者としてはベッチ・カルバーリョという人がいます。
この人は今も健在で堂々たる茶色ボーカルです。 (この三人を文字通りサンバ・ガラスと言います:汗)

いずれ紹介しましょう。














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タイトル (本文) ブログ名/日時
秋の夜のサンバ 
秋っぽくなったのでサンバを聴きましょう (笑) サンバは結局一年中イイってことですな・・・・ 前回アメリカの閉塞感を味わったののお口直しにもどーぞ! ...続きを見る
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2014/09/13 22:29
ブラジル 1983年
当ブログがとりわけブラジル音楽を紹介することが多いのはお気づきと思うが、ブラジル音楽を聞き出して四半世紀、まあ普通よりはこのジャンルには詳しいのは当然であろう。 しかしここでどれだけブラジル音楽をたくさん紹介したところで、実際ブラジルでそういう音楽がどれほど聴かれているのか? ブラジル全体の音楽シーンの中ではどんな位置づけなのかはわからない。 ...続きを見る
トリニティースクール音楽部 部室
2016/06/19 23:37

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ジャンルは全然違うかもしれませんが、コレ、茶色の声の方々と本質的には一緒ではないかと思っていますがいかがでしょう。。。(ミルバ)
http://www.youtube.com/watch?v=fpRIRAKRV6E&feature=related
これなんかも同じ臭いが。。。(ダリダ)
http://www.youtube.com/watch?v=GX2e9Si-FLY

好きですよ。熟女系!

趣味悪いと言われるかもしれませんが、何気にこんなのも。。。
http://www.youtube.com/watch?v=k5G0tfgZ7ms&feature=related

ynizm
2011/06/08 19:59
ダリダにミルバ・・・ 初めて聴きますがヨーロッパの音楽ですね。 黒人音楽の影響がほぼ全く無いですな。

調べたらダリダって54歳で失恋して自殺って凄いですね。
確かにそんな音楽かと・・・・
すいませんがオレ、シャンソンって理解できないんですよね・・・・ 

それとピアソラが苦手なんで、ミルバのほうも・・・

イタリア、フランス、ドイツのポピュラー音楽ってリズムが稚拙すぎて聴けないことが多いんです。 
何故彼らは黒人のリズムを導入しなかったのか・・?
イタリアやフランスはアフリカが近いはずなんですが・・・
歌手としては凄いんでしょうけど、どうしてもそのあたりがね、ちょっとキツい・・・

夏木マリって歌も歌ってたんですね。
好調
2011/06/08 22:26
大西洋の奴隷貿易に積極的に関与した国としなかった国で、黒人の流入度合いが異なるので、黒人の流入の少ない国では、必然的に黒人のリズムが定着しなかったのではないですかね。
やっぱり、交易程度の関係では、相手のカルチャーが身に染みてくるまでいかないのでは。
ynizm
2011/06/09 18:21
いや、でもフランスなんか黒人だらけで英国より多い感じなんだよな。 だけどシャンソンみたいなのと黒人音楽の融合ってあまり無いような・・・?
イギリス人がブルースに夢中になるのは戦後だけど、フランスではなんでそういうムーブメントが起きなかったのか?

いや、別に黒人音楽の影響が無い音楽は駄目だ、って言ってるんじゃなくて、それ以外のとこでもなんかヨーロッパの音楽って広がりが無いような感じがするんですよ。

色恋のことだけ歌ってるのはどこも同じかもしれないけど、
なんつーか「狭い」感じがするんです。

好調
2011/06/09 18:53

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