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<<   作成日時 : 2013/10/02 00:25   >>

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今日は前回の女性ボーカル特集に入れようと思ってた人ですが、個人的に大好きなんでまとめて聴いてもらうことにしました。
今まで招介をためらってたのは、ちょっと渋すぎる、というのが理由です。 40歳過ぎないとワカんねぇだろーなー、という歌手。



ナナ・カイミ  41年リオ生まれ、国民的歌手&作曲家ドリヴァウ・カイミの娘。



なんと言うか、ブラジルではかなりの人気者なのに、日本のブラジル音楽ファンの間ではあまり話題にのぼらない。
ひとえに独特の歌声に好き嫌いが分かれるのと、同時に歌う楽曲の多くがかつてのサンバ・カンソンを思わせる大時代なところがあるからだろう。

しかし経歴を辿れば60年代半ばの歌手デビューは、所謂トロピカリア・ムーヴメントの一角を担うものだった。

トロピカリア運動についてはいずれ詳しく解説をしたいんですが、音楽以外にも詩、絵画、建築、映画、演劇を含んだ、ブラジル人のアイデンティティーを鋭く問い、北米文化や欧州文化との対比を試み、新たにブラジル独自の表現を確立する広汎な芸術運動、とでも言えるでしょう。
主にインテリが主導したムーヴメント。

音楽ではカエターノ・ヴェローゾやジルベルト・ジル等が急先鋒で、ナナは1年間だけジルと結婚してました。
つまり本来ナナはトロピカリアの女戦士、ガル・コスタやマリア・ベターニャと同列の人なんですが、オレも含めてそういう認識を持ってる人はほとんど居ないだろう。

と言うのも、ナナがトロピカリアや、それに続くMPBを歌うのは70年代中盤くらいまでで、以後はじっくり聴かせる大人の音楽に変化していくからだ。
父親の影響を強く受けていたのかもしれないし、あるいは一時期外国で暮らしていたのも理由だろうが、一説ではジルと別れたときに大衆の不興を買ったのが原因とも言われる。

ナラ・レオンがボサ・ノヴァを歌うのをやめたのも男女関係のもつれが原因だった。歌手があるジャンルを離れる理由とは、案外世俗的なものだったりするのだ。



さてまず一曲、75年のアルバムから。 ギターはトニーニョ・オルタ。
このように明るい曲でもダークな雰囲気になるのがこの人の特徴。 その意味ではマリア・ベターニャに近い。
フルートは兄弟のダニーロ・カイミ。 






次は76年のアルバムから。なにかトロンボーンを思わせる伸びやかさだが、この声は最近までずっと変わらない。






同じアルバムからもう一曲、ナナにしては珍しくリズミカルで、エリス・レジーナあたりが歌いそうな曲だ。
悶絶ギターはエリオ・デウミーロ






83年、そのエリス・レジーナの死の翌年、残された旦那・セザル・カマルゴ・マリアーノのピアノと。
失意のマリアーノをいたわるかのようなジャケット、音楽もそのとおりに情感たっぷりで、まさにナナの真骨頂。
通常とは逆にナナのボーカルがマリアーノをサポート、ピアノを歌わせている、と聴くと味わいが増しませんか?

この電気ピアノはおそらくヤマハのCP80、ローズと異なり、より生ピアノに近い音だ。
(詳しい人教えてください。CP70かもしれないんで)






次はジョビンの曲、ピアノもジョビン本人だろうか?





93年の超名盤、ゴールド・ディスク受賞の "Bolero" から。
このアルバムは一曲もハズレが無いのでナナ・カイミを聴きたいなら、まずこれを買ってください。
秀逸なアレンジとキーボードはジルソン・ペランゼッタ。






最後は98年のアルバムから。





ナナは作曲はせず、他人の曲を歌う人ですが毎度選曲の素晴らしさに感心します。
さらりと歌うのではなく、気に入った曲をじっくり吟味して歌いあげるタイプ、日本の中高年ブラジル音楽ファンにももっと聴いてほしい。

以上、秋の夜長にぴったりの渋い女性ボーカルでした。

ナナ・カイミ、今週聴くのは七回目、なんちゃって・・・ 汗











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