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zoom RSS ガル・コスタの新譜

<<   作成日時 : 2015/07/27 23:51   >>

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ガル・コスタ70歳、36枚目のアルバムを5月末に発表。
四半世紀前、この人からブラジル音楽に入門したオレには思い入れの大きいシンガーである。
CDも20枚以上持っていて、だいたい彼女の変遷はつかんでいるつもりだが、正直ここ10年は声が出なくなってるのが明白で、ちょっと聴くのがつらかった。

それでも高音が詰まる以外、のびやかな表現力は落ちていなかったのはさすが女王。

製作に1年近くかけてる力作。 いろんな人がガルに捧げる曲を持ち寄った。
アルナウド・アントゥネス、マリーザ・モンチ、ミルトン・ナシメントといった大御所が新作を提供ってのは凄いことだよな。


で、さっそく聴いてみました。

まずはアルバムのタイトル曲。





う〜ん・・・・ プロデューサーが良くないね、モレーノ・ヴェローゾ (カエターノの息子)。 なんだよ、この耳障りなバックの音は・・・
奇をてらったような音造りとヴェテラン女性ボーカルが合ってない。 多くの箇所でガルのボーカルを台無しにしてさえいる。

で、ガルのボーカルはと言うと、ダイナミック・レンジが狭くなってる。
ダイナミック・レンジとはピアニシモからフォルテシモの振幅の大きさを言う。
通常ピアニシモはどんな人でも大差ないから、問題はどこまで強力かつコントロールされたフォルテシモを出せるかにかかってくる。
フォルテシモが大きくなるほとにピアニシモが小さく聞こえるわけだから表現の幅が広がるのだ。

70歳という年齢であれば無理もない。
むしろ最近の高音シャウト時に声が茶色になってしまっていた年齢的限界を、たくみに回避した唄法と見るべきだろう。

でもね・・・ ガル最大の魅力は絹のような高音だったんだよな。 それが聞けないのはやっぱり寂しい。
だから、と言うべきか、昔からガルがひそかに得意とした、静かでじっくり聴かせるような曲が光ってくる。
と言うか、そこに往時と変わらぬガルのボーカルを見出して安心する。

アルバムからシングルカットされた曲。 若手の作った唄だ。
76年のアルバム "Gal Canta Caymmi" あたりを思い出す。






アルバム最後はかつてジョニー・アルフとデュエットした曲、本アルバムの白眉と言っていいだろう。
ヴィンテージ・ワインの芳香か・・・・






同じ曲を若い頃のライブと比較してみる。
デュエットの相手はエリス・レジーナ、同い年の東西両横綱である。
ガルとエリスのデュエットは多くはないから貴重な映像だ。





オレはガルとエリスは甲乙つけがたく大好きであるが、どちらが歌が上手いか、というのも判定不可能と思う。
エリスの土くささ、ガルの華やかさ、という対比も出来るし、ひたむきなエリス、誘惑的なガル、という対比も的外れではないだろう。
だがエリスは82年、36歳で逝ってしまった。 

今、エリスが生きていたらどんなふうに歌っただろうか?
あの強烈なシャウトが出来なくなっても、エリスはガルよりは低音の使い手だったし、静かな曲も聴かせる歌手だった。
だからガルよりは加齢に苦しまなかっただろう、あるいは70歳のエリスとガルのデュエットはどんな感じになっただろう? などと妄想する。


それにしてもこのジャケット写真、ブラジルは某国なみの整形大国と言われるのも納得。
だけどガルのボーカル・トラックにはそれほど整形の手を加えていないように思うがどうだろう。

2005、2011、2015年と最近はスタジオ・アルバムの間隔があいているが、2013年はライブ盤を出した。
ガルの新作を、あと何枚聴けるかはわからないが、次回はもっとオーソドックスな音造りでお願いします。





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