ブラジルのジャズ (6) Antonio Adolfo

アントニオ・アドルフォ をジャズに分類するとなると、ブラジル音楽ファンにはちょっと違和感があるかもしれない。

この人は、 Antonio Adolfo & a Brazuca 名義で69~70年に発表した二枚のアルバムが有名だからだ。
いわゆるソフト・ロックというか、英米のロックのようなところもあって、今聴いても新鮮な音楽だった。

40年代中盤、リオ生まれ(正確な生年は調べてもわからない) 
担当楽器はピアノ。

エリス・レジーナ、ナラ・レオン、エリゼッチ・カルドーソ、ヴィニシウス など大御所のバック演奏や作曲、アレンジをこなした。

まずは、ブラズーカと言えばこれ、という曲から。 70年のほうのアルバムです。
メロディーやボーカルもいいが、楽器の細かいアレンジにも注目。




ブラズーカ解散後、アドルフォは渡米、ジャズやオーケストレーションを勉強してくる。
このあたりから音楽性にふくらみが出てきて、あのブラジル音楽特有の深みが増してくる。

77年、自身のレーベル Artezanal を立ち上げて最初に出したアルバムから。
けっこうサイケだよね。 このアシッド&サウダーヂ感がタマラない・・・・・
これ、テルミンかな・・・?






さらに79年の曲を。 北米では安易なフュージョン音楽全盛期、ブラジルではこんなに上等な音楽・・・・・





2007年、ブラズーカ名義が復活、これも上等なアレンジだよね。 アルバム・ジャケットが60年代風なのもニクいが、サウンドのほうも古っぽいようでいて新しいのは流石である。 
(ジャケ中央上下、ぼんやり写ってるのがアドルフォ先生近影)





前にも書いたけど、ブラジルのミュージシャンって進化するんだよな。
オッサンになっても昔の曲ばっかり懐メロでやってて、古くからのファンが盛り上がる、っていう見苦しい世界がない。

アドルフォの軌跡を辿ると、ヴァギネル・チゾがクラシックみたいな音楽に行っちゃったのと同様、最近ではジャズが自然に流れ出して来てる。

今年発表の最新アルバムから。
これ、ジャズです。



一番最初のと最後の曲を比べると、同じ人の音楽には聞こえないかもしれない。
でもアドルフォの音楽は上等、上品ってとこで、ずっと一本筋が通ってるように思いませんか?

年代順に5曲聴いてもらいましたが、この人、紆余曲折ありながら、最後はジャズに結実していったんだな、
と思う。 そこへの流れがすごく自然ですな・・・・

アドルフォは、ブラジル音楽普及のために音楽学校もやってる、アカデミックな人でもあるんです。






   

この記事へのコメント

変態通行人
2011年09月16日 10:47
ただいまゆらいでおります

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  • 続:夏はやっぱりブラジル音楽!

    Excerpt: 暑い日々にウンザリですが、引き続きブラジル音楽で元気を出してください。新譜を交えて紹介します。 Weblog: トリニティースクール音楽部 部室 racked: 2017-08-07 00:48