Hatfield & The North

久々にイギリス音楽に戻ります。
たしか暑いからイギリスは無理とか言って、7月頃に中断して以来だよな。

英国に戻るきっかけとしてはややヘヴィかもしれないが、ハットフィールド&ザ・ノース、このバンドを聴いているといろんな事を考えてしまう ・・・・

74年と75年、二枚のアルバムを残して解散するが、いわゆるカンタベリー楽派に属するバンドの常で、メンバーが若干異なるだけの別のバンドでも似たような音が聴ける。

ゴング、キャラヴァン等のバンド出身メンバーにより結成されるが、巷ではジャズ・ロックだのプログレッシヴ・ロックに分類されることが多いようだ。
だけどこの曲なんか、どうもそういうジャンル分けだけではしっくり来ない気がする。




なんかブラジル音楽っぽいところもあるよな。 フルートと女性ボーカルのユニゾンてのはブラジルの専売特許みたいなもんですから。
74~5年というとアメリカでクロス・オーバー音楽が佳境に入る時期なんですが、ここ英国でもそういうムーヴメントがあった、と考えたらどうだろうか。

この時期、アメリカやブラジルではどんな音楽が台頭したか、ひととおりジャズやブラジルやロックを聴いた後でハットフィールドを聴いてみると、その味わいがいや増すようにも思う。




なんか軽いアシッド感とともに英国田園音楽をより抽象的な方向に発展させた音楽。ポップなところ、エモーショナルなところが無くて、その精神のありかたはジャズに近い。
その面でジャズ・ロックというのなら同意できる。 

え~っとリターン・トゥ・フォーエヴァーなんかより面白いよね・・・

英国のプログレッシヴ・ロック (Yes とか) が割と苦手なのは、オレがさんざんクラシックを聴いてたからだと思う。
クラシックくずれみたいなキーボード弾かれちゃうと冷めてしまうんだよな。
だけどハットフィールドにはそういうところが無い。

ヴォーカルがそれほど出て来ないのが特徴。 女性ヴォーカルが和声の一部として使われるだけ、というのは案外この時代までの英国では珍しいのでは?
いっぽう控えめに出てくるシンクレアのボーカルは味がある。
以下、上の曲の続き。






ゴング、キャラヴァン、キャメル、ソフト・マシーン、スティーヴ・ヒレッジ といったカンタベリー音楽については今後もつれづれに紹介していきます。
ハットフィールドはカンタベリーの中でもある種頂点に立つ完成度があって、それはいくつかのバンドどうしメンバーを交換したり、盛んにセッションを繰り返すうちに練り上げられ、出来上がった音楽だからだと思う。

彼らの音楽がリアルタイムだった70年代中盤、すなわちオレがロックを聞きだした頃に聞いていたら、おそらく理解は出来なかったと思うけど、今はけっこう好きなんです。

なんかバイクいじりのBGMに合うと思いませんか? 

カンタベリー音楽 過去記事


余談:

ベースにウルサいオレが残念だと思うのはベース弦がフラット・ワウンドなんだよな。 音にゴロゴロ感があって耳障り。
ベースのリチャード・シンクレアはこのバンドのリーダーと目されてて、けっこう前に出て複雑なベースラインを弾くタイプ。
リズムでぐいぐい押してくるベースではないから、余計そのあたりが残念です。

英国のロト・サウンド社が70年頃に開発したラウンド・ワウンド弦は、エレクトリック・ベースを根底から変えてしまう音質の変化をもたらした。
シンクレアも後年の録音ではその弦を使用している。 だからベースに詳しい人は、この音をジャコ・パストリアスみたいなラウンド・ワウンドの音に脳内変換して聴くと良いでしょう。




この記事へのコメント

変態通行人
2011年10月23日 04:22
いつも英国楽しみにしていますです。
ナショナルヘルスの音色 感じさせますね。書いてあるのを見て楽器構成も似てるし、メジャーなプログレさん達のようにいかにも的ではない。。静かな情熱系なとこかな。

この記事へのトラックバック

  • Ian Carr & Nucleus

    Excerpt: ブライアン・オーガーの続きを書こうと思って調べてましたが、70年代後半以降の曲が You Tube にあがってないですね。 Weblog: トリニティースクール音楽部 部室 racked: 2011-11-11 00:44
  • ポーランド音楽(1) Extra Ball

    Excerpt: ジョビンでちょっと自己嫌悪になったりして、少し変わった世界に行こうかと思い、ここのところ気になってたポーランドの音楽を調べてました。 Weblog: トリニティースクール音楽部 部室 racked: 2012-04-25 00:46