Nick Ingman

  
一ヶ月に渡ってお送りした英国音楽探訪の旅、いかがでしたか?

まぁ、あまり知られてなくて、かつ聴く価値のある人たちを調べて紹介するのは、実はけっこうキツかったんですが、
僕の考える英国音楽の伏流水、バックボーンを聴いてきて、なにか今までとは違った音楽地図が描ければ幸いなり。

純粋英国音楽、カンタベリー楽派、ビート音楽、ハードロック、英国風味のジャズやブルースと言った、各々独特なジャンルを駆け足で見てきた訳ですが、今後もつれづれに各ジャンルのアーティストを紹介してゆくつもり。

で、今日は英国月間最後の人です。


ニック・イングマン  ロンドン出身、おそらく40年代生まれ。 アレンジャーにして作曲家。


オックスフォード大学に招聘されるも、アメリカのバークレー音楽院に留学、69年に英国に戻ってくる。
オーケストラのアレンジと同時にジャズやポップスの作曲、編曲で頭角を表す。

まぁアメリカで言えばクインシー・ジョーンズ、ブラジルで言えばエウミール・デオダートみたいな人でしょうか、クリフ・リチャードをはじめ、様々な軽音楽にかかわってます。
同時に映画音楽でも多くの仕事をしている人。

彼のHPには今まで仕事をしてきた人のリストがあります。 → クリック

英米の錚々たるアーティストが並んでますね。 特にイギリスではシャーデイやアニー・レノックスが居るんだな・・・


*******

ポップ・ミュージックでは、新しいトレンドや音造りをセッティングするフィクサーみたいな人がいて、クインシーなんかはまさにそんな人。
マイルス・デイヴィスのマネージャーみたいなことをやってた半面、ディスコ音楽全盛期にはそういう音楽の格調を少なからず高からしめて、
アメリカのポップ・ミュージックを操った陰の立役者。

いっぽうオレが思うにイングマンという人は英国ポップミュージックの影の指導者ではなかったろうか?
クラシック、ジャズに精通しつつ英国発の「新しい音」を世界に向けて発信したからだ。

73年の問題作 "Big Beat" から三曲聴きます。





ビート音楽っぽいうえ、楽器の使い方がこの時代の最先端を行ってるよね。時代を考えればこれも英国発のクロスオーバー音楽と言える。

次は前衛ジャズ、アシッド・ジャズの世界。 英国でこの時代にこんな音があったとは・・・・
まさに強力電波音楽、サン・ラみたいでねーか・・・・




これは近年のクラブで重宝されそうな曲。 ブラジルっぽい雰囲気もあるよな。 




おそらくこの人の強みはオーケストレーションとかストリングス・アレンジで、それがアニー・レノックスとかシャーデイと言った第二次ブリティッシュ・インベイジョンの強力な武器になってたと思う。
斬新でありながら古典的雰囲気を持った英国ポップスが世界中で売れたのは、イングマンに負うところが大だったのではないか・・・・?


イギリス人はどんな分野でも前衛的なことを突如始めるクセがあると思いますが、イングマンの場合クラシックを勉強しつつこういう音を作れたところが非常に英国的だと思う。 

最後に昨年のアルバムから。  まあ、イージーリスニングみたいですが英国映画にあいそうな音楽。
もともとはこういう前衛的でない音楽の人なんでしょうな・・・





さて、英国はいったん終了、次は何を聴こうかな・・・・・ 






この記事へのコメント

この記事へのトラックバック