Mike Clark



ドラマー・シリーズ第2弾は70年代16ビートのファンク・ドラムの立役者です。
なんかオレ、この人は孤高のドラマーだと思う。
誰とでも演るスタジオ・ミュージシャンではない。


マイク・クラーク  1946年 カリフォルニア生まれ


まずは74年、ハービー・ハンコックの超名盤 "Thrust" より。
リズムが凄すぎてハンコックが何も出来ず、ソロを取れないで終わってしまう。
シンバルやタムはほとんど叩かず、ひたすらバスドラ、スネア、ハイハットの三点セットのみ、シンプルで複雑という恐ろしいドラミング。




スネアに特徴がある。
スネアドラムの叩き方でリムショットというのがあって、金属製のリム(皮を張ってる外周の輪っか)と皮を同時に叩いて大きな音を出すのだが、
マイク・クラークの場合はリムショットを使わず、乾いたカンカン言う軽い音が特徴になっている。
軽い音で重いリズム、というのがこの人の持ち味で、さらに予測がつかない位置で自由自在に入るスネアのショットは実にスリリングだ。

こういう人を抜擢したハンコックは、やはり只者ではない。 

エレクトリック・ハンコック最初期のドラマーはハーヴィー・メイソンだった。
スーパードラマーのハーヴィー・メイソンを置いて、この人を採用した事実は重い。

もう一曲、同じアルバムから。
この曲は踊ろうにも踊れない、ちょっと聴くと変拍子のようだが、4拍・4拍・5拍・3拍で4小節合計では通常と同じ16拍になるという悪だくみが過ぎるリズム。
口で言うと: |ツツタツ|ツツタツ|ツツウタツ|ツウタ|ですな・・・




地面をうねる大蛇のようなベースはポール・ジャクソン、マイク・クラークとのコンビネーションでこの時期のハンコックの音楽の屋台骨を形成した。
このコンビ、仲が良いようで教則ビデオを作っている。






「音楽の歴史を知ることが大事」
「歌うことが出来ればプレイすることも出来る」

なんか至言だよな、特に二番目・・・

たしか村上ポンタ秀一も同じような事言ってます。
「オレはドラムの練習はほとんどやらない。 それよりドラムを口ずさんで、リズムを歌わせることを練習してる」

これは全ての器楽奏者に向けたメッセージだと思う。 ひょっとすると、のみならず声楽家にさえ向けた言葉であるのかも・・・
要するに鼻歌を洗練させていく、 内なる音楽を磨いていけば、おのずと良い音楽が湧き出してくるのだ。

これ、案外わかってないミュージシャンが少なくないよね。(パット・メセニーとか)

二人は92年にもコラボ・アルバムを出してる。 ちょうどこの教則ビデオの頃だと思う。 やっぱりスネアがヤバい・・・・歌ってるよな。




アカデミックなジャズのリズム史研究家、といったオモムキ、だけど黒人と対等以上のスイング感をもち、それを70年代ふうのファンクネスに昇華させた功績は大、なんでも現代ではサンプリングの対象となるドラマーとしては、ナンバーワンだそうである。
なんにせよ、ビデオで話をしているマイク・クラークの、ちょっと押し殺した感じのキャラクターは、
そのまま彼がドラムを叩いている時の精神風景となっていて、なるほど出てくる音がホットでクール、クールでホットで、
やはりこの人はジャズドラマーなんだな、と痛感する。

参考  Mike Clark Official Website




オマケ : 昨年のライブ動画を見つけました。 いつまでもお元気で・・・









この記事へのコメント

変態通行人
2012年02月05日 21:47
久しぶりにのぞきました。
リレーションシップ 涙

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  • ベースについて

    Excerpt: エレキ・ベースの奏法スタイルは二種類ある。。 ひとつはパーカッシブでスタッカートな音、つまりブチブチとちぎれている音だ。 最も極端な例はチョッパー(スラップ)奏法で、これは 弦を叩いたり引っ張りあ.. Weblog: トリニティースクール音楽部 部室 racked: 2012-12-08 00:37