ポーランド音楽(2) Tomasz Stanko

どうもポーランド音楽で気になるのはジャズ系、もしくはジャズの要素がある音楽のようですね、自分は・・・
まぁ、きのう今日聴き始めたばかりなんで明言は避けますが、共産圏の芸術ってのは抽象的になりやすいんではないですかね?

たとえばソヴィエトでSFが隆盛を極め、優れた作家が多いのは、そこにいくぶん体制批判の暗喩がこめられていたからだと言うな・・・

ジャズってのも抽象的な音楽で、美術で言えば抽象絵画と同じです。
慣れ親しんだ感覚に疑問符をつけて、意外な角度から新しい表現を試みるのは両者同じだと思う。

音楽のほうで言えば、抽象音楽であるゆえに、ジャズは国境を越えるのが案外ラクなんでないだろうか?
つまりジャズ界では演奏家の出身地は他ジャンルに比べて、意識される度合いが低いと思う。

ジャズ界では結構有名なこの人が、ポーランド人だと知ってる人は少ないのではないか?


トマシュ・スタンコ   1942年生まれのトランペット奏者。 62年、西欧を含めるヨーロッパ全体で、最初にフリー・ジャズを演奏するグループを結成。


スタンコはヴァン・モリソンなどと同様、アメリカの放送を通じてジャズに出会っている。 クラクフの音楽学院出身だから楽理にも明るかったろう。
ポーランドのジャズ・シーンの中心人物の一人であり、北欧ジャズの面々との録音もある。
マイルス・デイヴィスの影響はもちろんあるが、スタンコの世界は決してマイルスの亜流ではなく、独自の世界を作っていて、それがすなわちポーランドのジャズの精神性を表しているように思う。

レコード・デビューは70年、初期のアルバムはまだ良く聴いてませんが、86年のこの曲にまずヤラれました。




全員ポーランド人の演奏なんだけど、ドラムもイイしギターは更にいい。 で、このドラムとギター、実は同一人物による演奏というから驚きだ。
調べたらアポストリス・アンチモスという人ですね。 憶えておこうっと。


次は83年、これはパーカッションにブラジル人とおぼしき名前が伺えるが、ドラムとギターはやはりアンチモス。




なんだか前衛的なんだけど肩肘張ってないところが好感が持てる。

前衛芸術が発達するのは古典が盛んな国や地域だと思うんだけど、ポーランドって古典音楽の本場だからか、前衛・アヴァンギャルドがすごく自然に聞こえるんだよな。
この気楽さは案外本場アメリカでも稀有で、むしろブラジルのモアシール・サントスなんかと似ていると思う、気分が・・・・

で、80年にはインドに渡って洞窟の中でトランペットの完全ソロ、という異色の録音、あのマイルスでさえアルバム一枚完全無伴奏ってのはやっていないと言うのに・・・・
洞窟内の自然エコーがヤバい・・・・





スタンコは80年代にはセシル・テイラーのバンドに加わっているが、オレ、アメリカのフリー・ジャズって苦手なんだよな。

ところがスタンコのやるフリー音楽は非常に琴線に触れるのは不思議で、ひょっとするとポーランドという国はカトリックの国だから、その点ブラジルと同様であり、
それゆえプロテスタンティズムの北米音楽とは何かが異なるのかもしれない。 音の出方が違うというか・・・・



最後に2005年。 北欧ジャズと似ているようで、何かが違う。 なんかシミジミするフリー・ジャズってのが、ポーランドならではの特徴のような希ガス。
個人的に、ここには自然賛歌みたいな気分があると思ってて、イギリスの イアン・カー の音楽とも似てると思うの。





どうですか? 面白いでしょ? ひょっとしてオレだけかな、面白がってるの・・・・・ 汗

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