イタリア音楽(6) Edda Dell'orso

ちょっと時間があいてしまいました。
ずっとイタリアの女性シンガーを調べててちょっと「落ちてた」もんで・・・・

結論から言うと、前々回のノエミに匹敵する女性歌手はイタリアには居ないようです。
またも前言撤回、イタリアのポップ・ミュージックはアメリカのカントリーとは似てないばかりか、かなり質が落ちます。 良質な人があまりに少ない。

演歌と言うか歌謡曲と言うか、とにかくエコーが効き杉。

おそらくイタリアの良質な音楽ってオペラなんじゃないですかね?
例の Wiki のイタリア女性シンガーのページには17世紀とかから現代まで、この国の女性ボーカル216人をを網羅してる。
それのだいたい半分がオペラ歌手なのな。
これは男性歌手に占めるオペラ歌手の比率より多い。

一般的に三大テノールとか、日本ではオペラと言えば男性歌手のほうが注目されがちだ。
ところがおそらく、オペレッタなどを含めるとオペラ界は実は女性優位なのではないか?
優れた歌手はオペラ界に行く、と。

と言うか、男女含めてここまで見るべき(聴くべき)人が居ないとなると、英米ブラジルで60年代後半あたりに共通して存在した
音楽革命が、ここイタリアではついに勃発しなかった、と言うことだろうか?

不思議なことにビートルズに影響されまくってるバンドすら見当たらない。(ポーランドと似てる)

60年代中盤から70年代中盤までの音楽革命は、それが精神革命でもあったところが強調されるべきだ。
すなわちあの頃の音楽は、一種危険な状況から発せられた悲鳴や警告とか批判であったり、東洋的な価値観へ移行していく途上からの報告であったり、あるいは深く内面の音楽を追求し、新しい音で表現するスリルがあったものだ。

そういうものがポップ・ミュージックの世界で希薄であるとすれば、イタリア音楽はやはり映画音楽と、そこから発展したBGM音楽方面くらいしか聴くものがないのかもしれない。


とりあえず216名調べてみて、ここで紹介できそうな人を一人だけ発見。 やはり映画音楽でした。


エダ・デローソ 1935年ジェノア生まれ


モリコーネはじめ多くのイタリア映画のサウンド・トラックで歌ってます。
ただしほとんどの場合スキャットと言うか、Wordless Vocal というヤツ。
有名なマカロニ・ウエスタン数本をとってみても、この人はそのほとんどのサントラに登場。



69年、エンニオ・モリコーネと。 この人、ボーカル上手いのか下手なのか・・・・・
歌詞がないボーカルであればどの国でも受け入れられるから映画音楽には最適なスタイル、という実利的な面もあったのだろう。





72年、マカロニ・ウエスタン。 音楽はフランコ・ミカリッツィ。






疾走するロータス・エラン・・・ でもブレーキが・・・ 71年のサスペンス映画、抜群にモダンなピエロ・ピッチオーニのサウンド・トラックにエダの声が冴える。
71年にこのサウンドとアレンジ・・・・・・、ピッチオーニの先進性に脱帽する他はない。
よく聴くとドラムとベースが凄いのな。





73年、これもピッチオーニ。 イタリアン・サウダーヂと言えそうな世界が確かにある。 
ただしブラジルのサウダーヂが空間的な広がりを持つのに比べ、伊太利のそれは時間を遡っていくような感覚がある。大陸と半島の違い、歴史の長さの違いだろう。
(動画の女優はエダではありません)





映画音楽は一般的なポップスとは少し異なるジャンルだが、ポップス・シーンからはみだしてきた演奏家が、優れた作曲家やアレンジャーの下に集まった、と見るべきなのだろうか。
ひとつ考慮したいのはモリコーネやピッチオーニの年齢である。
どちらも20年代の生まれであり、70年には40代だから若手とは言えない。 そういうオッサン達がイタリアの新しい音楽を70年代いっぱい引っ張ったという点が、イタリア音楽のひとつの特徴だろう。
若手が育たなかった、と言えるのかもしれない。

モリコーネは28年、ピッチオーニは21年の生まれ。
7年先輩のピッチオーニのほうがより斬新なのも不可解な点だよな・・・・・・。



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