Eddi Reader (2)

エディー・リーダーの音楽はイギリス音楽の王道と言うか、イギリスのロック、フォーク、プログレ、ポップスの特徴を全て持っているとは言えないだろうか・・・

英国的でありすぎるがゆえにアメリカで売れなかったかどうかは不明だが、もしかしたら北米ポップスが先頭を切って音楽を世界的に劣化・商業化させていく中、とりわけイギリスではエディーの音楽が英国性に満ちているうえ、英国人にはちょっと懐かしいトラッド音楽の香りもするから、「オレたちイギリスの音」という感じで支持が広がったのかもしれない。

ヒット曲であっても、何かアメリカ的なところが希薄なんだよな。

94年からもう一曲。ハモンド・オルガンの鳴り方がプログレ風味で、アメリカでは聞けない音。
(結局イギリスにおけるハモンドの使われかたの一流儀には、近世の教会パイプオルガンの鳴り方があるのではないか?
ヴァン・モリソン・バンドの名オルガニスト、ジョージー・フェイムも案外こういうスタイルだ。 いっぽうアメリカのオルガンは、同じ教会でも黒人を中心とする北米プロテスタント教会のそれだと思う。)








96年、英国でのヒット。60年代アメリカの芸人音楽をカヴァー。 あえてこういうアレンジなところが、くどいようだがオレがよく言う英国音楽の演劇っぽいところ。






98年。40歳寸前の声とは思えない。




ちょっと歌詞を意訳してみよう。 曲名の Prayer Wheel とはチベット仏教でお経を唱えながらぐるぐる回す円筒状のもの。


「私に会っても嬉しそうじゃないわね
どこか他に行きたいところでもあるの?
でも私を忘れないで
どこに居てもときどき私のために Prayer Wheel を回して

いずれまた会うの
次の人生ではどんなに素敵な関係かしら

また会わなきゃならない
私達の仲は解決してないから

私を憶えていて
私を忘れないで 」


え~っと、輪廻転生やカルマというのは、70年前後のヒッピー文化が喧伝したオルタナティヴな価値観・思想の中では最も注目すべきもののひとつです。
東洋(インド)経由で流入した考えかたで、トッド・ラングレンやジョン・レノンなどもよく言及するテーマ。

これ見ただけでエディーのバックボーンが、意外にも硬派なロック詩人の系譜を踏んでいるとは言えないだろうか・・・・
ロックが単なる不満やうっぷん、ウサを晴らすためだけの音楽ではないことを知っているのだ。

今回調べてて、この人オレと1歳しか違わないことを発見。
となるとヒッピー・ムーヴメントの最後の残滓をリアルタイムで体験できた世代とも言える。


歳をとっても音楽が低俗に流れない。

2001年。 あいかわらず声だけは年齢不詳。
ロンドン録音だが、ミュージシャンのレベルの高さに脱帽。各楽器とも実にのびのび、かつ緊張感のある音を出している。
アコースティック・サイケだ。





2009年。今のところの最新アルバム。 故郷スコットランド録音、成熟した英国音楽のひとつの頂点か・・・・ 聴くほどに味わいが増します。






以前シリーズで英国の純粋伝統音楽を見ましたね。 (2011 10/22 ~ 28 の5本の記事)

彼らの音楽がいずれも70年代半ばまでには消滅していたのを思い出してください。
エディー・リーダーを聴いてると、そういう音楽のスピリット(精霊)が再び受肉して復活したような気分になります。

となるとイギリスの伝統音楽は芯が非常に強固ですな・・・・。
一時的に絶滅したように見えてもそれは潜伏しているだけで、こうして鮮やかに甦る姿を見るとそう痛感します。
しかもただ復古するだけぢゃなく、何かフレッシュな息吹で進化しているところが刺激的だよな。





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