Todd Rundgren (7)


アメリカ音楽がらみで久々にトッド・ラングレンを聴いてました。

トッドについては以前語りつくした感じでしたが、93年のアルバム" No World Order" がどうしても好きになれず、以後20年くらいトッドから離れていた。
この部室を始めてから97年のアルバム "With a Twist" を聴いて気にいり、でも2008年の "Arena" を聴いてみて再び失望してしまい、その前後のアルバムは全然聴いていなかった。

でこのたび2004年の "Liars" を初めて聴いてみて、さっそく e-Bay UK にCDを発注するほど気にいってしまった次第。
今日はここから二曲だけ聴きます。


トッドを語る時には平常心を失ってしまうイキサツは以前に書いた。
それほど入れ込んだのに、トッド本人に会って話をした翌日からパッタリと聴かなくなった件も書きました。
とは言え、やはり今でも昔の曲には興奮してしまうし、自分にとってこの人の存在は大きいのだなぁと思う。

あるアーティストに距離感を失うほど入れ込むというのは、通常は10代後半くらいに起こる現象だが、オレの場合は彼の音楽を聴かない日が無かったくらい没入したのは20代後半からの数年間だった。(これも書いたよね)
だからここでトッドを語る場合、語り口が基地外っぽくなるのは大目に見て下さい (笑)

思えばアメリカ音楽が全体的に劣化・堕落した、あの70年代末から80年代いっぱいくらいにおいてさえ、トッドは1ミリも時代に迎合することなく、毎年のように名盤を連発していた。
これは奇跡に近いことだ。

2004年、つまり10年前のこのアルバムを今聴くということはオレにとっては意味がある。
トッドはちょうど10歳年上だから、このアルバムは今のオレの年齢での彼の作品となるからだ。
まず声が全然老化してないのに安心 → オレもまだ大丈夫か、とか・・・・

一曲目、"Afterlife (死後)"





歌詞大意:

死んだら全てが終わると言う
この人生の行いによって天国に行けるかも、と言う
それは嘘だ
死後もオレはオレであり続け、君はまた現れるだろう

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輪廻とかカルマというトッドがよく歌う死生観だ。 この年齢でここまで直接的に歌われるとグっと来る・・・
ライアー(嘘つき)というアルバムはトッド自身の解説によれば、なんとなく皆が真理であると信じていることに疑問符をつけるのがテーマだと言う。

オレが常々不満なのは、トッドの思想というか精神性というか、音楽以外のそういう最も重要な部分に踏み込んだインタビューを見たことがないこと。 トッド自身もあまり語らないようだ。
しかしここは一度、誰かが徹底的にトッドと語り合って、その思想の背景をつまびらかにして欲しいものだ。
どんな本を読んだのか、誰に影響を受けたのか・・・・・


このアルバムも、おそらく例によってトッドの主宰するユートピア・サウンド・スタジオで入念に音造りがされたものと思われる。
聴きこむほどに凝った音空間だが、まあトッドは常にこんな感じだよな。 ここでも妥協が全く無い。
サイケなアシッド空間だが、ひとつひとつの音は案外アコースティックなのだ。


二曲目 "Stood Up"






歌詞超訳

人間はもうちょっと賢くならなきゃな、とオレは最初に気づいたんだ
地面を這いずってちゃ駄目なんだ

それから、皆が這いずってる間にオレは多くの英知を得た

そうしてオレはそこに行った、すでに高いところに居るんだ

誰がリーダーになるべきかと言ったらオレしか居ないだろ
だけど立ち上がるのが早すぎたんだ
オレが最初にやっても次のヤツが取って替わってしまった

すでに10代の時に地面を這いずりまわるのはゴメンだと思った
普通のやつらはオレのやってることをビールを飲んで騒ぐのと同じだと思ってる

達成不可能かもしれないことを考えて、リストにしてみる
リストはどんどん長くなる
そこで実現させたものは、手がかりを忘れてしまっても、次に行く

恰好をつけるのは簡単だが、賢くなるのは難しい
自分のこだわりを簡単に捨てないほうがいい
多くを持つより簡素なほうがいい
さもないと人に頼ることになるから

そうすれば苦労はなくなるさ
すでに高いところに居るわけだ

だけど立ち上がるのが早すぎた
君らの目が開く前だったらオレの歌は退屈だろ?

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う~む、トッドがここまで直截に、自信たっぷりの皮肉を言うのも珍しいが、まあしかし相変わらずの素晴らしいメッセージに感動した。

世間にウンザリしてる感じは昔からあったし、自分が見てきた宇宙の真理を真正面から直言する、まさにロックスターのひとつのお手本みたいな人だからな。
そのあたり昔から全く変わってませんね。

オレもこの路線で行くべし、という同い年のトッドのからのメッセージ、しかと承りました。



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