Lesley Duncan

謹賀新年

今週この部室も創立4周年となります。
今後もおつきあい頂ければ幸甚です。

さて今回は14ヶ月ぶりに英国音楽を聴きます。



レスリー・ダンカン  

1943~2010  60年代からピンク・フロイドなど多くの録音に参加した女性歌手、シンガーソングライター。
自作曲しか歌わないエルトン・ジョンも彼女の曲を歌った。



だいぶ以前、連続で英国のトラッド音楽を紹介しましたが、この人も活動時期が重なる。 しかしトラッドの要素はあまりなく、当時アメリカをはじめ世界的にブームとなったシンガーソングライターの英国におけるさきがけとして、フォークあるいはフォーク・ロックといった部類に入る。

68年、シンガーソングライター・ブームの最先端、アメリカはグリニッチのサウンド、ジュディー・コリンズあたりと似ている。





アメリカにおけるシンガーソングライターとは、ジョーン・バエズなどの反戦フォークのブームが去り、電化したロック一辺倒になっていく時代にその反動として注目された、とオレは思ってます。
そして反戦フォークというパブリックな主張より、もっと内的で日常的なテーマを歌うことが多いと思う。  シビアに自己と向き合って音楽にしていく、というのはプロテスタントなアメリカ人の得意とするところだが、英国ではどうか・・・・

72年、アシッド・フォーク的なサウンドだが、アメリカほど個の押し出しが強くないところに注目。






英国音楽を語るときに何度も言っていることだが、英国の田園的風土は人間に敵対的ではないので、英国人は風土を味方にした一体感・安心感をバックに持っている。
そこではことさら個を押し出す必要が無いのだ。

とは言え、やはりアメリカ的に自分と社会を対峙させ自己実現することを願うテーマは、英国でも新しいものとして若者の共感を呼んだと思われる。

次は最近発掘されたこの時代には珍しいPV(プロモ・ヴィデオ)をどーぞ。






75年のアルバムから二曲。
もはやフォークとは言えないが、同時代アメリカののローラ・ニーロとかジョニ・ミッチェルを思い出す音造りだ。





2:37からのカッコいいギター・ソロはクリス・スペディング。 





特に商業的な大ヒットが無かったからだろうが、ダンカンのアルバムは1980年が最後となり、音楽業界から引退、97年からはスコットランドの孤島に家族で引越してしまう。
だがダンカンを聞いて育った現代英国のオッサン世代から強力な支持があるのは YouTube のコメント欄からも見てとれる。

アメリカで売れなかった英国のローカル・ヒーローだが、彼女の残した7枚のアルバムには商業性が全く感じられず、80年代以降のアメリカで売れる音ではなかった。 それで良かったのだと思う。










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