ポーランド音楽(31) Marek Sosnicki

ポーランドの音楽シーンが一気に弾けるのは今世紀になってから、という私見をずっと述べてきたわけですが、中には例外もあります。ベルリンの壁崩壊から数年で、すでに驚異的にハイレベルなポップスを奏でていた人が居ます。 
本日紹介するのもそんな人、一種の天才です。



マレク・ソシンスキー   1966年生まれのボーカリスト。 作曲もこなし自身のバンド「タメラーネ」を率いる。



タメラーネってのはポーランド語でティムール帝国のことらしい。ティムールは14世紀に中央・西アジアを支配した民族だが、何故そんな名前のバンドにしたのか?  
で、 "14th Century Soul" というタイトルのアルバムも・・・・・ これだけでもソシンスキーが一筋縄では行かない教養人のように思えてくる。

ポーランドって大学進学率が世界一高いらしくて、ミュージシャンもインテリ風な人が多いよな。

その「14世紀のソウル」というアルバムは1991年の作、以後スタジオ録音アルバムは二枚しか出していないようで、もう20年以上活動を休止している模様。


今日はその14世紀から聞きます。 他のがようつべに上がってない。




女性なみに声が高い。舌をふるわせるユニークな唱法、バックの演奏も高度である。
英語の歌詞、ロンドンの風景・・・・・ 時代的に第二次ブリティッシュ・インヴェイジョン期の残滓があり、英国音楽が最先端だった頃の音とつながる。
どうもポーランドは外国に音楽を売る場合、アメリカよりも英国を向いているように思う。 
イギリスに行くとブルー・カラーだけでなく、ホワイト・カラーもポーランドからの出稼ぎが凄く多いしな。




次はラウンジ音楽。 そう、この頃ポーランドはハウス・ミュージックが盛んだった。 だがソシンスキーの場合は多くの愚劣な音楽とは一線を画している。
シンプリー・レッドを思わせるが、洒落た転調やギター・ソロがいい。 ポーランド語。







ブラック・ミュージック、2:50からのギター・ソロがいい。 英語。







次はポーランド・ポップスお約束のジャズっぽい音楽。 知らないと女性ボーカルに聞こえる。 英語。







最後は味わい深いバラード、同じ歌を異なった二つのヴァージョンでどうぞ。
ボーカルが別人のように低音なのが面白い。 これはポーランド語だ。










以上、どれも良質な音楽ではあるが、どの動画も数年前にアップされているのにも拘わらず、意外にも閲覧数が数千どまりなのが残念である。
おそらくポーランドでは、そして多分セールスをねらった英国でも、人気はさっぱりだったようだ。

ズバリ言うと早過ぎた人であろう。 

彼が20年以上も沈黙している理由はわからない。 演劇の勉強もした人なのでそっちに行ってるのかもしれない。
だが今のポーランド・シーンにおいて再登場の機は熟している。 時代は彼に追いついたと思う。

20年ぶりの活動再開、熱烈キボン!!







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