ご無沙汰してます  ベースの近況など・・



1年以上のご無沙汰です。

更新しなかった理由はただひとつ、ベースの練習に熱中するあまり
YouTube 探訪をする時間が無いのです。
なにせ休日は8時間くらい弾いてることもあり、平日の夜だって
2時間くらいはすぐだ。

で、ベースですが昨年の4月に英国の Overwater Bass 社に特注した
フレットレス・ベースが届きました。
特注ということもあり注文から約15ヵ月待たされた。


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先方に出したこちらの要求はまず軽いこと、
あとは弦長を32インチ、弦の間隔をフェンダーより狭くすることの三点。
まあ先に買って慣れていたヤイリのベースと同じにしたわけです。

通常フェンダーでは弦長は34インチだが、これだと正確な運指が必須なフレットレスではキツいのは以前にも書いたとおり。

軽いということではこの会社にフルアコースティックというかホロウボディーの楽器があり、最初はこれにしようかと思ったが、あまりボワンボワンした音なのも嫌だな、と思い社長&デザイナーのクリス・メイ氏に相談、
するとちょうどセミホロウ・ボディーのモデルを考えてるというから、
それで全てお任せすることにした。

カスタムと称してシロウトがあれこれくだらない注文を出しても良い製品にならないのはバイクも自転車もクルマも同じだから、こっちの要求は最小限にしておくに限る。  アチラは40年くらいの実績がある楽器メーカーなんだから、
基本的にディテールはお任せします、と伝えたら「コイツわかってるナ」と
思ってくれたようで、ときおり製作中の木材の写真などを送ってくれた。

その間せかすことは一切しなかった。
「楽器は音楽の神様が宿るんだからじっくり時間をかけて良いものを作ってくださいね」と伝えたら感激してた。
15ヵ月って決して長くはないと思いますよ。
なにせ作るほうも初めてのカタチの楽器ですから・・・

届いてみるとネックがブリッジまで一本の木で出来ていて、その両脇に中空(ホロウ)ボディーがくっついている。これはアレンビックのベースと同じ構造だ。
当然軽い。

オモテから見て左の肩が大きいのにカッタウェイが無いのはちょっと違和感があるが、これはネックを曲がりにくくするためだろう。
おかげでネックの厚みも薄く、非常に弾きやすい。
これに慣れるとフェンダーのネックなど大根みたいに太く感じられる。

エレキベースという楽器は、ちょうどオレが弾くのをやめた1983年頃以降、
急速に奏法が進化・変化して、楽器の形状も様々な試行錯誤がなされて、フェンダー一辺倒の時代を脱した。
つまり奏法が変わるにつれて楽器の形状も変化した。
エレキギターではこうした変革はベースの10年以上前から始まっており、
83年頃にはすでに出尽くした感があった。


例えば弦の数が4本から5本、6本に増え、ハイフレットへアクセスしやすい形状が追求された。ギターは決して7本や8本弦にはならなかったから、楽器の形状変化という点ではベースのほうが大きく、したがって注目度や
バンド内での地位も向上したのであった。
バンドにおけるベースの存在感がギターをしのぐ程になったのが、だいたい80年前後からだった。新しいスタイルのベース奏者が次々に台頭したのである。(オレの嫌いなマーカス・ミラーとか・・・)


そう考えると今回手に入れたベースもまた、いまだ進化を止めないベースの新種と考えられる。他メーカーでも似たような形状はあるが、セミホロウのボディーは珍しいと思う。


こうしてベースにおいて奏法と楽器形状の両方に変化がもたらされたのは、ベーシストの創意工夫が根本にあるが、もうひとつその原因として、楽器に増幅アンプを内蔵する、いわゆるアクティブ回路ベースの急速な普及も見逃せない。だいたい80年代も後半からの話だ。

それまでアクティブ・ベースはミュージックマンやアレンビックというプロ用の高級機材に限定的だったが、この頃から一挙に大衆化したのである。
何故これが流行し、今や主流になったのかと言えば、おそらく良質な楽器には必須の木材、つまり「よく鳴る木」がこの頃には完全に払底したのが原因と考えられる。

ベースにとって重要なのは音色よりも音程感であり、音色ありきのギターとは
ここが異なる。むろんベースにも音色は大切だが、音程感が無い楽器では
使いものにならない。 つまりドの音はどんなに低くてもドに聞こえなければ
楽曲の屋台骨を形成できないのだ。

これが実現できる良質な木材はすでに70年代で採取しつくされたとオレは思っている。 だからバッテリーで駆動するアンプによって、音程感や音色を自在にコントロールできるアクティブ・ベースが普及したのは当然だった。

ギターのほうではアクティブはそれほど一般的でないのは、おそらくエレキギターはピックアップコイルによってかなり良い音色を出せるのではないだろうか。 だとしたら遮二無二アンプで増幅して良い音色を追求することもないのだろう。

この意味で電気楽器からいくぶん電子楽器に進化したベースはギターよりも
技術革新が顕著であり、その点でもベースがますます注目される結果をきたしている。

となると、ベース専門という Overwater Bass 社はその点だけで、ギターとベースの両方を作るメーカーより信頼できるのではないだろうか。 ヴァイオリンとチェロが全然違うように・・・

さて、こうしてアクティブ・ベースが普及すると弊害も出てくる。
弊害どころか平均的なベース演奏というものが、アクティブ以前より軽薄なものに退化してしまったのだ。

つまりアンプで増幅するということは小さい音を大きくできることだから、
弱く弾いた音も大きくできる。
これはアクティブもパッシブ(昔ながらのアンプなし)も同じだが、アクティブの場合、小さい音をより綺麗に増幅できるから、ちょっと聞くとその奏者のタッチが強いのか弱いのかよくわからない。
だが、よく聴けばこれはわかってしまうのである。

なにが違うって、弱いタッチの演奏ではダイナミックレンジが小さいので
音の強弱によってグルーブ感を出すことが出来ないのだ。
ダイナミックレンジとは最大と最小の音量の幅である。
大きなフォルテシモを出せる奏者は最弱のピアニシモとの対比を大きく取れるので表現が豊かになるのだ。


オレのようにパッシブで育ち、アンチ・アクティブな奏者からすれば、
昨今主流の弱いタッチのベースは気持ちが悪い。聞いていてノれないのである。
器用なフレーズでグルーヴィーさを出すのもいいが、何かが違うな、という感じ・・・
まあ強いタッチでメリハリを利かせるチャック・レイニーとか、ゴードン・エドワーズ(スタッフ)、ネイサン・ワッツ(スティーヴィー・ワンダー)等々の古参ベーシストの流れるようなベースラインに憧れてきた身からすれば以上は
当然の感想になるだろうが、批判するのはこれくらいにしましょう。

さて注文したベースが半ば出来上がった頃、アクティブにするかパッシブにするかと質問が・・・
これは迷うことなくアクティブを選択、何故なら現代の木は鳴らないに決まってるからですな。  アンチ・アクティブなどと言ってられない。

そもそも32インチというショートスケール、しかもフレットレスな時点で木が良かった頃のビンテージ楽器の選択は無い。あり得るとすれば、そういう楽器を買ってきて改造することだが、だいたいそういう楽器は凄い値段なのだ。

それより昔より格段に弾きやすい現代の楽器をアクティブで鳴らすほうが現実的である。 老い先短い現在、古いモノにこだわるのはもうやめようと思った。
そういうのはバイクやクルマ、パイプでさんざん苦労したんで・・・・(苦笑)

と言うわけで楽器が届いて1年、ますます弾きまくっている毎日、
いずれバンド結成・メンバー募集にそなえてプロモ動画を撮るつもり、
そのときはここで公開するのでお楽しみに。

なお以前紹介したアレンビックは結局やめておきました。
現在指板に使う黒い木(ウオルナット)が伐採禁止で入手が難しく、
フレットレスへの改造が困難と言われたので・・・

では次回は久々に最近聞いてる楽曲を紹介します。
あいかわらず伊太利亜モノですが・・・


Overwater Bass のホームページ

http://overwaterbasses.com/



















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