Kuba Badach の新譜再考



少し前にポーランドのクーバ・バダフの2017年の新譜 "Old School" を一曲だけ紹介して、全体的に面白くないアルバム、などと論評しましたが、全面的に撤回します。武漢コロナの家篭りでふとこのアルバムを再聴して、その奥深さに気づいたので、あらためて紹介します。






このアルバム、全曲クーバの作曲だが、メロディーが俗に流れることなく、ポップではない。ポーランド特有の転調も見られ、一回聴いただけでは曲の全体像がつかみにくいのがちょっと聴いての低評価につながってしまった。長年ポップミュージックを聴いてきて、それが商業主義とか流行に取り込まれた低俗なものであるかどうか、一回聴けば判断できる自信はあるが、このアルバムは芸術性が普通に考えられるポップスより高く、つい見誤ったのであった。クーバさん、ごめんなさい。






バックの演奏も素晴らしく、特にドラムとベースの現代的な感覚にも注目してほしい。
なおこの曲のベースはクーバが弾いている。






この曲、最後の印象的なメロディーはミルトン・ナシメントの不朽のメロディー、ポンタ・ヂ・アレイアに比肩し得るサウダーヂ感覚にあふれていると思う。
ナシメントはミナス音楽の典型で、その旋律には中世教会音楽の影響があると思うが、カトリック国ポーランドの旋律が 案外ミナス音楽と通底しているのは興味深い。 (言うまでもないがブラジルはカトリック国だ)

 




最後にこのアルバムの翌年、おそらくシングルで出た曲もどうぞ。ちょっとポルジャンチ時代を思わせる軽快な曲、ギターがカッコ良いね~。
(なおこの動画の写真はクーバではなく、全く無関係、おそらく投稿者の間違い)





ポップスを作ったり歌うにしても決してプラスティックなものにはならないクーバはインテリイっぽい含羞のある人のように思える 。このCDは英国経由で入手したが、ブックレットのような凝った造りで、クーバも相当力を入れて造ったアルバムなんだろう。

ここのところポーランド音楽を紹介していなかったが、ちょっとまたいろいろ調べて聴いてみようと思った。このアルバムから2年半、そろそろクーバの新作を期待してもいいだろう。次回は正座してキチンと聴いてから論評させて頂きます。 こんな真摯なアーティストも昨今滅多に居ないと思うので・・・












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