ブラジル VS アメリカ 

マルコス・ヴァリの続編を書こうと思ってたんですが、けっこう聴いてないアル
バムが膨大で、先延ばしします。

で、いろいろとようつべを漁ってて、ちょっと北米とブラジルの親和性など、例
によって考え込んでしまって・・・

北米で有名になったブラジル人は、ジョビン、マルコス・ヴァリ、ジャヴァン、
イヴァン・リンス、セルヂオ・メンデスあたりが筆頭ですが、セル・メンは措く
としても他の人たちはやっぱり「アメリカ録音」という感じがぬぐえないですね。

アメリカのスタジオ・ミュージシャンと組んでアメリカ向けの音造りで録音した
と言うか・・・・

70年代、アメリカ側でブラジル勢を手引きしたのの第一人者はジョージ・
デュークですな。
彼はずいぶんブラジル音楽に入れ込んで "Brazilian Love
Affair" (1980) なんていうアルバムも残してます。

だけどね、そうなればなる程、ブラジルと北米の音って水と油だな~ってのが
オレの印象。 溶け合うのは非常に難しいですね。

そのアルバムから。 




トニーニョ・オルタなどブラジルからのゲストを大勢集めた録音ですが、このトロンボーンは
ハウル・ヂ・ソウザ (ラウル・デ・スーザ)。
愛称「ハウルジーニョ」でブラジル・ジャズの世界では人気者だったんですが
70年代後半、アメリカに渡っていわゆるフュージョン音楽の奏者として
主にジョージ・デュークとアルバムを作ってます。

そのハウルジーニョのリーダー作から。
(たしかこの曲、学生時代にバンドでやろうとして挫折した記憶が・・・汗)




これ、完全にジョージ・デュークのサウンド世界だよな・・

ブチブチと荒削りでパーカッシヴなバイロン・ミラーのベース、
16ビート言うよりは8ビート的なレオン・チャンクラーのドラム、
キーボードは「女ハンコック」と言われたパトリース・ラッシェン、
悶絶ギターはなんとEW&Fのアル・マッケイ
アイルト・モレイラも参加・・・・

デューク一門の音はエグいです (笑)

*****

フュージョン音楽は70年代後半、それが人気だった頃はよく聴いたもんですが、今はほとんど聞いいてないです。結局、腕達者なスタヂヲ・ミュージシャン中心の音楽なんで退屈と言うか・・・ 

本当に優れたフュージョンのアルバムってのは極めて少ないんだよな。
あれから30年以上たって、忘却されず名盤として聴き継がれていくものはわずかだと思う。

今でも聴けるフュージョンのひとつが、ジョージ・デュークなんですが
この人の音楽はちょっと体育会系というか、もうひとつ洗練されてないところが
あって、でも真剣勝負な雰囲気がイイんだと思います。

で、ハウル・ヂ・ソウザのトロンボーンもけっこう頑張ってると。
頑張ってるんだけど、やっぱり北米とは水と油なんだと。 (笑)

トロンボーンってブラジルではサンバによく使われるんです。
サックスとかトランペットより、サンバはトロンボーンですな。
理由はわかりませんが、この楽器は音域が低いんでコーラス隊とぶつからな
い、ってのがあるんじゃないでしょうか?

ハウルジーニョはジャズ・トロンボーン分野なんだけどメロディアスなんだよな。 
けっこう歌うというか・・・
それがジョージ・デューク一味のアメリカンなリズムの中では浮いてしまいますね。

何度も言うようですが、このように水と油の両者、なんとか上手く融合した音っ
て無いもんでしょうか・・・?

そこで思い浮かぶのが、最初の曲でも歌ってる フローラ・プリンと打楽器のアイルト・モレイラ夫妻。




この夫婦、ブラジルでは無名で、北米に渡って花開いたと言う経緯、
でチック・コリアの Return to Forever に参加して有名になります。
このバンドは実験音楽的、前衛的な音で注目されたので、ある種の新しい
無国籍な音としてブラジル人夫婦が自然に溶け込んだ感じ。

この曲は上記ハウルジーニョも参加、チック・コリアではなく、ジョージ・デューク一派とやってる音。
フローラのボーカルの存在感、ユニークネスのおかげで、この曲はブラジル成分が非常に強い。
おそらくブラジルと北米が50・50、逆に言えばブラジル音楽でもアメリカ音楽でもない、稀有な例となってませんかね?
なにせこの曲、ベースがロン・カーターなんですけど・・・・

思うんですけど、この時期ずっとエグいジョージ・デュークの音が、上品になるのはブラジル勢とやってる時なんだよな・・・

*****

もうひとり、アメリカの女流ギタリストでジョイス・クーリングという人がいます。
この人のファースト・アルバム(1988) はブラジル人ミュージシャン達と録音しているので、なかなか違和感無くまとまってるんです。





だけど残念ながら、このあとのクーリングはいわゆるスムース・ジャズっていう、
まあ毒にも薬にもならないような音楽になってしまって、全然面白くないんだよな。
ピックではなく、親指と他の指を使う独自の奏法を持ってるのに惜しいですよね・・・

他に誰かいるかなぁ・・・
ギタリストのラウリンド・アルメイダ、パーカッションのパウリーニョ・ダ・コスタくらいですかね・・・・ 
(誰か名前だして~)

ああ、トニーニョ・オルタとパット・メセニーの関係なんてのも面白いですよ。
これは相当物議をかもしそうな話題なんで、後日にじっくり・・・


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