British Pops

ブラジルが続いたんで久々に英国音楽を聴きます。

イギリス音楽てのはアメリカ音楽の影響を受けまくっていながら、いつのまにかアメリカに重大なインパクトを与える音を出して来ますな。

そのあたり不思議でならないんですが、考えてみればクルマもバイクも自転車もパイプも、最初はヨーロッパで産声をあげて、イギリス人はそれを
ありがたく拝受するわけです。
ところがイギリスは、ヨーロッパを凌駕する素晴らしい製品でたちまち世界を席巻してしまう。

ニッポンはよく物真似だとか言われてますが、歴史のスパンを長くとれば、英国のそういう製品も全て物真似だった訳です。
そしてたちまちオリジナルを超えてしまうのも日本と英国の共通点かもしれない。

ポップ・ミュージックにおける英国の貢献度はアメリカに勝るとも劣らない、アメリカは常に原料を産出するが、精製するのはいつもイギリスだった、とは言い過ぎでしょうが、
まあそんなことも言いたくなるほど、イギリスのポップスは優れてますな。

まず一曲目、1973年、ストローヴスを脱退した二人組が結成したハドソン&フォードというバンド。
ストローヴスのフォーク・プログレ路線から離れ、ひたすらポップスを追求し、UKチャートではいくつかの中ヒットを飛ばしてます。
彼らの75年、3rdアルバムから。 特にヒットした曲ではないですがアルバム中出色の出来。
途中のフェンダー・ローズのソロがいい。






彼らはスティーリー・ダンとかのアメリカのクロスオーバー・ポップスとほぼ同時期に結成されていて、
勉強熱心なイギリスのスタジオ・ミュージシャン達が、一種のシンクロニシティーによってアメリカ勢と同様の音造りに到達した、とオレは思ってます。 

まあ、ピアノもドラムもベースもアメリカ人ほど上手くはない。
だけどシンセサイザーの使いかた、編曲やコーラス・アレンジの上手さはブリティッシュ・ポップスならではの秀逸なもの。


次は86年、プリテンダーズ。 
ギタリストにロビー・マッキントッシュを迎える最強メンバー期の名盤 "Get Close" より。
時まさに第二次ブリティッシュ・インヴェイジョン真っ最中、シンプルでありながら奥行きのある音造りはアメリカ人にもショックを与えたと思う。






しかし "Get Close" は名盤だよな。 間違いなく「ロック・アルバム・ベスト50」には入ると思う。
パンク・ロックによって、一度ブリティッシュ・ロックがリセットされてから出てきたバンドなんですが、こういう浄化作用、あるいはアウフヘーベンをサラリとやってのけてしまうのが英国の面白さです。


次も86年、クリス・リア。この頃注目されたシャーデイなどと似通ったブリティッシュ・サウンドですが、これもアメリカのポップスでは聴くことが出来ない空気感ではないでしょうか?






クリス・リアは以前78年のヒット曲を紹介しましたが、あの当時の美青年はいつのまにかむさくるしいオッサンになってますね。
だけどイギリスでは結構な人気者で、ヴァン・モリソン同様、「大人のロック」路線で成功した人です。


イギリスはよく伝統の国とか言われているが、オレはそうは思わないんです。
ヨーロッパのほうが伝統の重さに圧倒され、息苦しくなる。
イギリスには一種の風通しの良さみたいな空気があって、伝統を受け継ぐだけでなく、新しいものをどんどん取り入れたり、創造したりする。
アメリカ大陸が発見されるまでは、ヨーロッパ人にとって逃れてゆく新天地はブリテン諸島だったはず。

で、ポップス王国のアメリカは国が巨大すぎて案外イギリスのような風通しの良さは無いような・・・・・・

ブリティッシュ・ポップスには、常にフレッシュなサラダのような感覚があると思いませんか?



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